土地を担保にお金を調達する方法は、資金調達の手段として非常に有効です。特に、急な資金需要が発生した際や事業資金の確保、生活資金、相続対策などで活用されています。
しかし、土地を担保にする方法にはいくつかの種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。また担保としての借入ではないが、一時的に土地を売却して買い戻せる条項が付いているリースバックも紹介しています。
本記事では、リースバックも含めた土地を利用して資金を調達する4つの代表的な方法を解説し、それぞれの特徴や注意点について詳しく説明します。

1. 土地を担保にお金を調達する4つの方法
1.1 不動産担保ローン
概要
不動産担保ローンは、土地や建物を担保にして融資を受ける方法です。
金融機関やノンバンクからの融資が一般的で、借入額は土地の評価額に基づいて決まります。事業資金やその他の目的で利用できます。当社(アライアンス株式会社)では金融機関や大手のノンバンクが敬遠するような一筆の不動産だけでなく、共有・持分不動産のローンも行っております。
メリット
- 高額な資金調達が可能:無担保の消費者金融とは違い土地の評価額に応じて、大きな額の融資を受けられる。
- 1年以内のつなぎ資金として使える:銀行等の融資が下りるまでの間、つなぎ資金として迅速に調達できる。
- 使途が自由:事業資金、生活資金、投資資金など、幅広く活用可能。
デメリット
- 返済不能時に土地を失うリスク:万が一、返済ができなくなると、担保にした土地が競売にかけられる可能性がある。
- 金利が高い:金利が高い場合がある。
- 共有者、共有持分での利用の制限:共有持分でのローンは断られる場合がある。
1.2 親族・知人間での担保融資
概要
金融機関を介さずに、親族や知人から土地を担保にお金を借りるケースです。金利や返済条件などは当事者間で自由に決めることができますが、法的な手続きや担保設定をしっかり行うことが重要です。
メリット
- 柔軟な条件設定: 金利、返済期間、担保の評価方法など、当事者間で自由に話し合って決められるため、個々の状況に合わせた柔軟な条件設定が可能です。
- 審査の簡便さ: 金融機関のような厳格な審査がないため、信用情報に不安がある場合でも借りやすい可能性があります。
- 事務手数料や保証料が不要な場合が多い: 金融機関を利用する際に発生する事務手数料や保証料などがかからないため、コストを抑えられます。
デメリット
- 人間関係の悪化: 金銭問題は人間関係を壊す大きな原因となります。返済が滞った場合など、感情的な対立が生じやすく、親族や友人関係に亀裂が入る可能性があります。
- 貸し手の負担: 貸す側にとっては、資金が長期間拘束されるリスクや、返済が滞った場合の回収の難しさといった負担があります。
- 税務上の問題: 金利の設定によっては、贈与とみなされる可能性があり、贈与税が発生する場合があります。
1.3 リバースモーゲージ
概要
リバースモーゲージは、主に高齢者向けの資金調達方法で、自宅や土地を担保にしながら、亡くなった後に売却して返済する仕組みです。年金代わりに定期的な資金を受け取ることが可能です。
メリット
- 月々の返済不要:借入期間中は元本の返済が不要で、生活資金として活用できる。
- 住み続けながら資金を確保:自宅に住みながら資金調達が可能。
デメリット
- 対象となる年齢層が限定される:多くの金融機関では、高齢者(60歳以上)を対象としている。
- 土地の価値が下落すると融資額が減る:市場の変動により、当初の見込み額よりも少ない金額になる可能性がある。
1.4 リースバック
概要
これは土地の担保ではなく売却です。土地を売却した後も、その土地を賃貸する形で引き続き利用できる「リースバック」方式を活用する方法です。一時的にお金を調達して買い戻す意向がある場合は担保的な機能があるといえます。
メリット
- まとまった資金を確保できる:売却によって一括で資金調達が可能。
- 引き続き土地を利用できる:賃貸借契約を結ぶことで、土地や建物をそのまま使用できる。
デメリット
- 賃貸料の支払いが必要:売却後も土地を使う場合、賃貸料が発生する。賃貸料が高い場合がある。
- 契約終了後に立ち退きの可能性:契約の期間が終了すると、土地の使用ができなくなる可能性がある。賃貸料が支払えない場合、退去を求められる。
- お金の調達金額が安い場合がある:買い取り業者の査定によっては不動産評価額より安い金額での売却となる可能性があります。
2. 土地を担保に資金を調達する際の注意点
2.1 返済計画を明確にする
土地を担保にするローンは高額になりやすいため、しっかりとした返済計画を立てることが重要です。なんのために借りるのか、どのような用途で借りるのか、期間はどのくらいを考えているのか、返済方法はどのようにするのか、返済原資は何なのかなどを明確にしたほうが良いでしょう。
2.2 担保評価額を事前に確認する
土地の価値は、立地や用途地域、権利関係によって変わります。複数の金融機関で査定を受けることで、より良い条件の融資を受けられる可能性があります。ただし突発的に資金が必要な場合や緊急に資金が必要な場合は柔軟に対応できる貸金業者を選ぶのも方法の一つです。
2.3 闇金業者や悪徳な買い取り業者とは付き合わない
土地を担保にした融資を提供する業者は多数ありますが、信頼できる業者を選ぶことが重要です。貸金業者だと登録を受けた業者かどうかインターネットで確認したり、不動産業者もちょっとでも不審な気持ちを感じる場合は複数の業者に見積をとって自分に合う業者を選びましょう。
3. まとめ
土地を担保にお金を調達する方法には、
- 不動産担保ローン(一般的な融資・共有持分での融資もあり)
- 親族・知人間での担保融資
- リバースモーゲージ(高齢者向け資金調達)
- リースバック(売却後も土地を利用可能)
といった選択肢があります。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、利用目的や状況によって最適な方法は異なります。大切なのは、しっかりとした資金計画を立て、将来的なリスクを把握したうえで判断することです。

アライアンス株式会社では申し込みから審査、ご融資まで最大2日間での対応が可能です。
土地を担保にした資金調達を検討されている方は、ぜひ当社へご相談ください。共有・持分を担保にした資金調達も可能です。最適な返済方法や期間をご提案して、迅速に対応いたします。
執筆者:石川 慶(行政書士・宅地建物取引士・貸金業務取扱主任者)